こんにちは、りんごナースです。
今日は、白状する話をします。
わたし、プリセプターをしていたころ。
後輩の質問に、答えられませんでした。

「プリセプター、お願いね」と言われた日
4月です。
師長に呼ばれて、こう言われます。

なすちゃん、今年プリセプターお願いね。
大丈夫、去年の子もちゃんと育ったから。
断る理由が見あたりません。
それに、少しうれしかったんです。
任されたということだからです。
その日は、けっこういい気分で帰りました。
教えられると思っていた
わたし、最初はわりと自信がありました。
自分が新人だったときのことを、覚えています。
何がほしかったかも、分かります。
怒らない。聞きやすい。待ってくれる。
それをやればいいだけだと思っていました。

だから、こう言いました。
「わからないこと、なんでも聞いてね」
いま思うと、あれがいちばん軽率でした。
「なんでそうするんですか」に答えられない
ある日、処置の準備をしていたときです。
となりで見ていた後輩が、こう聞きました。

先輩、それって、なんでそうするんですか?

手が止まりました。
なんで、だろう。
ずっとそうしてきたからです。
でも、それは答えになりません。
「そういうものなの」と言いそうになって、飲み込みました。
自分が新人のころ、いちばん納得できなかった言葉だからです。

……ごめん。
あとで調べて言うね。
その日は、帰ってからも考えていました。
教える側になったのに、教えられない。
向いていないのかもしれない、とも思いました。

できるようになると説明できなくなる
ここが、今日いちばん書きたいところです。
新人のころは、ひとつずつ考えていました。
なぜこの順番なのか。
なぜ先にこれを確認するのか。
考えないと、できなかったからです。
でも、何年もやると考えなくなります。
手のほうが先に動きます。
それが「できるようになる」ということです。
考えなくてもできるようになったから、説明できない。
教え方が下手になったのではありません。
うまくなった結果として、そうなっています。
だから、答えに詰まった自分を責めなくて大丈夫です。
あなたも教わっている
もうひとつ、よく聞く言葉があります。
「自分も教わってこなかったから、教え方が分からない」
わたしも、長いことそう思っていました。
でも、たぶん違います。
新人のころは、毎日が必死です。
誰に何を言われたかまで、覚えていられません。
記憶に残っているのは、怒られたことくらいです。
でも、いま無意識にやっているその手順。
あれは、どこかで誰かから来ています。
教わっていないのではなく、覚えていないだけです。
ちゃんと受け取っていたから、体に残っています。
「一緒に調べよう」でいい
ひとつだけ、やってみてほしいことがあります。
答えられなかったとき、「調べておくね」と言わないことです。
かわりに、こう言います。
「一緒に調べよう」
それだけです。
「調べておくね」だと、答えを持ってくる人になります。
そして次も、その次も。
一緒に調べると、調べ方のほうが残ります。
それに、わからないことがある先輩は、聞きやすい先輩です。
完璧な人には、質問しづらいものです。
答えられなかったあの日は、失敗ではなかったのかもしれません。
教える側と、教わる側の話です。


今日の小さなごほうび
今日は1日、しゃべっていました。
教えて、確認して、フォローして、また教えて。
そういう日は、口のほうが先に疲れます。
なので、ごほうびは「誰ともしゃべらないこと」にします。
牛丼屋のカウンターです。
券売機なので、一言もいりません。
「つゆだく」だけ、小さい声で。
紅しょうがを、乗せすぎるくらい乗せます。
かわいくないのは分かっています。

答えられなかった日って、けっこう効くよね。
でもそれ、ちゃんと考えてる人しか悩まないことだよ。
まずは座って、ゆっくり食べてきてね。
今日もおつかれさまでした。

