こんにちは、りんごナースです。
夜勤手当、1回いくらか知っていますか。

明細で見たことはあります。
……え、あれだけ?って思いました。
わかります。わたしも、ずっと少ないと思っていたので。
給料明細の記事で、夜勤手当はまた別に書くと約束していました。
今日は、その話です。


14時15分に出勤して、10時に帰る
わたしが働いていた大学病院は、二交代でした。
夜勤は、16時半から翌朝8時半まで。
月に4回、入っていました。
でも、実際に病棟にいる時間は、もっと長いんです。
情報収集のために、14時15分には出勤します。
勤務が始まる、2時間以上前です。
最後の記録を書き終えるのは、朝の10時ごろ。
勤務が終わって、さらに1時間半。
病棟にいるのは、だいたい20時間です。
休憩は、2時間あることになっていました。
でも、忙しい夜は1時間しか取れないことも、ザラにありました。
その20時間に、夜勤手当がつきます。
夜勤手当は、平均1万1,470円
では、いまの夜勤手当はいくらなのか。
日本看護協会の調査では、こうなっていました。
| 勤務の形 | 1回あたりの平均 | 真ん中の値 |
|---|---|---|
| 二交代の夜勤 | 11,470円 | 11,200円 |
| 三交代の準夜勤 | 4,300円 | 3,800円 |
| 三交代の深夜勤 | 5,211円 | 4,500円 |
二交代なら、だいたい1万1,000円前後です。
病院が大きいほど低い傾向もあって、500床以上では平均9,163円でした。
それから、夜勤手当は明細で2行に分かれていることがあります。
1回ごとに決まった手当と、夜の時間に応じた割増のぶんです。
この2つを別々に払っている病院が、31.2%ありました。
自分の明細で、夜勤に関係する行を全部足してみると、本当の金額が分かります。
1時間あたりにすると、約570円
ここで、ちょっと計算してみます。
平均の11,470円を、病棟にいる20時間で割ると。
1時間あたり、約570円です。
もちろん、これは基本給に上乗せされるぶんです。
それでも、この数字を見ると、少しさみしくなります。
夜勤は、ただ人がいればいい、という時間ではありません。
ナースコールに走って、急変に備えて、記録を書いて。
患者さんのために、ずっと動き続けています。
夜中に働くのは、それだけで体に負担がかかります。
ミスをしないように、ずっと気も張っています。
その対価としては、正直、気持ちばかりだと思っていました。

夜勤手当は、なぜ上がらないのか
もうひとつ、調べて驚いたことがあります。
夜勤手当は、2010年ごろとほとんど同じ額のままなんです。
看護師の月給は上がっているのに、夜勤手当は横ばいが続いています。
病院の収入の多くは、国が決めた「診療報酬」という値段で決まります。
だから、病院が自由に給料を上げるのは難しいと言われています。
わたしも、働いていたころにそう聞いていました。
ただ、2024年度からは、看護師などの賃上げのための仕組みもできました。
少しずつですが、動きはあるようです。
出典:夜勤手当の推移は労働政策研究・研修機構のまとめ、賃上げの仕組み(ベースアップ評価料)は厚生労働省の資料より。
看護師は、ご奉仕ではありません
上がりにくい理由があるからといって、いまの額でいいわけではありません。
看護師の仕事は、やさしさだけで成り立っているのではないからです。
患者さんに、安全で適切な医療を届けること。
そのために、夜中もずっと判断を続けています。
点滴の落ちる速さ、モニターの数字、呼吸の音、小さな表情の変化。
ひとつ見落とせば、患者さんの命にかかわります。
だから、心も体もすり減らしながら、必死に働いています。
看護師は、サービス業ではありません。
専門職として、責任を背負って働いています。
その責任に見合った対価は、ちゃんと払われるべきだと思います。
夜勤手当が「気持ちばかり」でいい理由は、どこにもありません。
夜勤をやめたら、月4.6万円減ります
最後に、夜勤をやめたらどうなるかも計算してみます。
平均の11,470円で、月4回なら、月に約4.6万円。
1年にすると、約55万円です。
夜勤をやめると、給料からこのぶんがなくなります。
独身のころのわたしは、夜勤をやめるなんて考えたこともありませんでした。
大学病院で、独身の看護師が夜勤をしない。
そんな選択肢は、ないと思っていました。
夜勤明けの時間も、けっこう有意義でしたし。
たぶん、独身のままなら、40代くらいまで夜勤を続けていたと思います。
でも、いまのわたしが夜勤をする可能性は、ゼロです。
家族に負担をかけることになるし、体がついていける気もしません。
夜勤をどうするかは、そのときの暮らしで変わります。
手当の額を知ったうえで、いまの自分に合うほうを選べばいいと思います。
たった55万円、とも思えます
年に約55万円。
この数字を見て、わたしは正直、こう思いました。
たった55万円しか、下がらないんだ。
夜勤をやめれば、生活は規則正しくなります。
夜中に起きている必要がなくなって、体の負担も減ります。
その体と時間が、55万円で戻ってくる。
そう考えると、高い値段ではない気がしました。
もちろん、夜勤のほうが合っている、という看護師さんもいます。
生活のリズムや、明けの自由な時間。
夜勤だからこそ、働きやすい人もいます。
生活スタイルや考え方は、人それぞれです。
ここからは、夜勤をやめた、わたしの場合の考え方です。
いまのわたしなら、55万円を別の方法で取り戻すことを考えます。
夜勤に使っていた時間と体力を、新しいスキルに回す。
それこそが、稼ぐための自分への投資だと思います。

ただし、副業ができるかどうかは、病院によって違います。
看護協会の調査では、兼業や副業を認めている病院は26.6%でした。
公立の病院などは、決まりが厳しいこともあります。
考えるときは、まず勤め先の決まりを確認してみてください。
自分への投資の話は、こちらにも書いています。

今日の小さなごほうび

夜勤明け、記録を書き終えて病院を出ます。
向かうのは、病院近くのモスバーガー。
頼むのは、もちろんハンバーガー。
作りたてを待つあいだに、やっと夜が終わったと思います。
朝から頬張るハンバーガーは、最高です。

1回1万円ちょっと。あの夜の仕事は、本当はもっと評価されていいと思う。
明けの日は、ちゃんと休んでね。
まずは、明細の夜勤の行を数えるところから。
今日もおつかれさまでした。

