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【看護師あるある】定時30分前の緊急入院、ここからがチーム戦

ナースあるある

こんにちは、りんごナースです。

日勤の終わりが近づいて、記録もあと少し。

今日はわりと平和だったな、と思ったそのとき。

ナースステーションの電話が鳴ります。

じゃがいもさん
じゃがいもさん

緊急入院、受け入れお願いできる?

今日は、看護師なら一度は経験している、あの時間の話です。

4コマ1コマ目。夕方のナースステーションで、なすちゃんが「今日は定時で帰れそう!」とガッツポーズ、ほうれん草ちゃんもうれしそう

その電話は、勤務交代のころに鳴る

緊急入院や、ほかの病棟からの転棟は、病棟ではよくあることです。

その中でも大変なのが、日勤の終わり、勤務交代の時間の緊急入院でした。

引き継ぎでバタバタしているうえに、日勤の残り時間はわずか。

時間の調整が、とてもしづらいんです。

しかも、受け持ちの患者さんのことも、おろそかにはできません。

頭の中で優先順位を立てるのに、必死でした。

しかも、勤務交代の時間です。

夜勤の人への申し送りにも、入院の方の情報を足さなければいけません。

まだ分かっていないことも多いなかで、何をどこまで伝えるか。

申し送りの順番が決まっていると、こういう日に助かる。

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顔を見合わせたら、もう動き出している

日勤の時間帯は、まず師長さんが電話を受けます。

4コマ2コマ目。じゃがいもさんが受話器を持って「緊急入院、受け入れお願いできる?」。なすちゃんとほうれん草ちゃんが「これからか〜」という顔で固まる

そのあと、日勤のリーダー2人が、誰が受けるかを決めます。

受け持っている患者さんの重さや、その看護師の力量を見ながらです。

勤務交代に近い時間の緊急入院だと、みんな「これからか〜」という顔をします。

でも、それも仕方がない。

たとえば、こんな感じです。

なすちゃん
なすちゃん

ほうれん草ちゃん、ベッドの準備をお願いできる?

モニターと酸素、それから吸引も。

ほうれん草ちゃん
ほうれん草ちゃん

はい!

……あっ、でも305号室の点滴の交換が、そろそろで……。

なすちゃん
なすちゃん

そっちは、わたしが見ておくね。

入院の方が上がってきたら、まずバイタルからね。

ほうれん草ちゃん
ほうれん草ちゃん

わかりました、すぐ準備します!

誰かが抜ければ、誰かが埋める。

言葉にしなくても、みんながそれぞれ動き出します。

患者さんが病棟に上がってくるまでに、できること、終わらせられる仕事を急ピッチで進めます。

このときこそ、チーム全体で一致団結です(笑)

やること山盛りが、頭に落ちてくる

緊急入院を1人受けると、こんな仕事が一気にやってきます。

病棟に上がってくる前

  • 救急外来や医師から、病名やバイタルサイン、いまの処置、アレルギーなどを聞く
  • 部屋とベッドを決める(重症度や感染症の有無を考えて)
  • ベッドまわりの準備(モニター、酸素、吸引、点滴台など)
  • 受け持ちの患者さんの、急ぎの仕事を先に片づける

病棟に着いたら

  • 本人確認と、ネームバンドの確認
  • バイタルサインの測定と、全身の観察
  • 医師の指示を受けて、点滴、採血、心電図などをすぐに始める
  • 処置が始まるなら、その準備と介助
  • 検査に呼ばれたら、付き添って一緒に行く

少し落ち着いたら(でも、その日のうちに)

  • 入院までの経過や、持病、生活のようすを聞き取る(通院や入院の記録がなければ、一から)
  • 飲んでいる薬を、薬剤師さんと一緒に確認する
  • 転倒・転落や、床ずれ(褥瘡)が起きやすいかを評価する
  • 病棟の案内をして、ご家族に連絡や説明をする
  • 看護計画を立てて、記録を書く

たとえば、転倒・転落。

厚生労働省の医療安全のマニュアルには、入院のときに確認することが書かれています。

意識の状態、これまでに転んだことがあるか、ふだんの動作。

入院のその日から、安全のための確認がたくさんあるんです。

緊急で入院する方は、重症であることも多いです。

しかも、検査が盛りだくさんで、先生からは急ぎの処置も頼まれます。

たとえるなら、頭の上から岩が落ちてきて、それを受け止める感じ。

受け止めながら、受け持ちの患者さんのことも見ていなければいけません。

ただ、ひとつだけ。

落ちてくる岩は、患者さんではありません。

一気に押し寄せる、やることの山です。

緊急で入院する方は、いちばん不安な状況で病棟にやってきます。

だからこそ、岩をみんなで受け止めて、目の前の患者さんに向き合うんです。

4コマ3コマ目。「やること山盛り」と書かれた大きな岩を、じゃがいもさん・なすちゃん・ほうれん草ちゃんが3人で必死に受け止めている

変化球で、優先順位が崩れる

緊急入院の日に、いちばん苦しかったのは、優先順位の立て直しでした。

朝のうちに、今日の仕事の順番は頭の中で組み立ててあります。

そこに、緊急入院という変化球が飛んでくる。

組み立てた順番が、一気に崩れます。

何から手をつければいいのか。

受け持ちの患者さんの予定は、どこまでずらせるのか。

わたしは、この立て直しがとても苦手でした。

頭の中がいっぱいになって、手が止まってしまうんです。

そんなとき、心強かったのが先輩の声かけでした。

なすちゃん
なすちゃん

305号室の点滴、終わった?

308号室の血糖、確認できた?

ほうれん草ちゃん
ほうれん草ちゃん

あっ、血糖はまだです……!

なすちゃん
なすちゃん

じゃあ、それはわたし確認しておくね。

「これ終わった?」「これ確認できた?」

そう聞いてもらえると、抜けていたところに気づけます。

そして、手が回っていないところは、先輩やメンバーが拾ってくれる。

ひとりで抱えなくていいと分かるだけで、頭の中が少し静かになりました。

いま思うと、優先順位を立て直すときのコツは、こんなことだったと思います。

  • まず、命にかかわること(呼吸、血圧、急な変化)
  • 次に、時間が決まっていること(点滴、薬、検査)
  • あとからでもいいことは、思いきってあとに回す
  • 手が回らないことは、早めに「まだできていません」と声に出す

たとえば、夕方の予定がこうだったとします。

もともとの予定緊急入院が入ったあと
15:30 305号室の点滴の交換入院の受け入れ(いちばん先)
16:00 308号室の血糖測定点滴の交換は、時間どおりに(先輩に声をかけて手伝ってもらう)
16:30 記録血糖は、先輩が確認してくれる
記録は、いちばん最後に回す
優先順位の立て直しの例(架空の予定です)

ぜんぶ自分でやろうとしないで、頼めるところは頼む。

それも、立派な優先順位のつけ方です。

最後の「声に出す」が、いちばん大事かもしれません。

言ってもらえれば、まわりは助けられます。

先輩たちがフォローしてくれたのも、わたしが固まっているのが見えていたからだと思います。

日勤の仕事は、日勤のうちに

そして、岩はひとつとは限りません。

やっと落ち着いたと思ったところに、また電話が鳴ることもあります。

4コマ4コマ目。岩を下ろして座りこむ3人。じゃがいもさんが電話で「……転棟です」、頭の上に「さらに追加」の岩が落ちてくる

新人のころ、先輩に教わったことがあります。

「夜勤の人に、できるだけ迷惑がかからないように、日勤の仕事は日勤のうちに終わらせること」

夜勤は、少ない人数で長い夜を守ります。

日勤の仕事を残して帰れば、そのぶんが夜勤の人にのしかかる。

だから、緊急入院を受けた日も、日勤でできるところまでは終わらせて帰っていました。

緊急入院を受けた日は、だいたい20時ごろに帰っていました。

もっとベテランの先輩なら、早かったと思います。

消灯前に帰れたら、いいほう。

残業するのが当たり前の時代だったので、「あと少しで帰れたのに」と感じたことは、正直ありません(笑)

麻痺っていますね。

それでも、「あ……今日は帰りたかったな」と思う日はありました。

友達と会う約束をしていた日です。

でも、そんな日も、落ちこむひまはありません。

アドレナリンが出まくっているので、突っ走るしかないんです。

定時で帰れない日の話は、こちらにも書いています。

【看護師あるある】今日も定時では帰れませんでした
定時5分前にかぎって、急変・緊急入院・不穏・急な処置が全部重なる。気づけば21時。でも「何が残ってる?」と聞いてくれる人がいて、リーダーの先輩は記録が終わるまで待っていてくれました。圧だと思っていたものの正体の話です。

今日の小さなごほうび

20時すぎに病院を出たら、同期とラーメン屋へ向かいます。

頼むのは、がっつり系のラーメンに、餃子と生ビール。

同期と並んで、とにかく食らう。

これがあれば、大変だった勤務も達成感に変わります。

そして、次の勤務もまたがんばれる。

でも、これは独身だったからできたのかもしれません。

ママ看護師さんは、こんな息抜きもなく、そのまま家に帰っていくのだと思います。

そう思うと、尊敬しかありません。

ママ看護師さん、本当にすごい!

りんごナース
りんごナース

岩をみんなで受け止めた日は、ちゃんと自分もほめてあげてね。

今日もチームで乗りきったね。

まずは、温かいものを食べるところから。

今日もおつかれさまでした。

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